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離婚調停の進行

「夫(妻)との仲がうまく行かず、離婚したい。話し合いを続けてきたが、解決ができそうにない」という場合、解決のための手段として裁判所の助けを借りることが考えられます。 ただし、「裁判所の助けを借りる」といっても、いきなり訴訟を起こすわけではなく、まずは、家庭裁判所に「調停」の申立をすることになります。 
では、この「調停」は、どのように行われているのでしょうか。

質問されることが多いので、ここで、一般的な調停の様子をご説明します。 
離婚調停では、「調停室」と呼ばれる部屋に2名(男女1名ずつ)の調停委員さんが在室しています。そして、当事者双方が入れ替わりでこの調停室に入り、調停委員さんに自分の言い分を聞いてもらいます。

調停委員さんは、当事者が緊張することのないよう配慮しつつ、お互いの言い分を聞きます。そして、問題になっている点(離婚原因の有無や財産の状況など)について解決方法を提案したり、当事者の説得をしたりと頑張ってくれます。 
当事者は、自分の意見を調停委員さんに聞いてもらいながら、譲れるところは譲り、解決できるかどうか考えることになります。

夫婦だけ、あるいは親族だけで話し合いをしていると、どうしても自分の言い分にこだわりがちになってしまう傾向があるようです。 しかし、第三者である調停委員さんが入ってくれることで冷静に話を聞くことができ、訴訟にならずに比較的早期に納得のいく解決の糸口が見つかることもあります(なかなか見つからないこともありますが・・・)。

そして双方が条件に合意できた場合、家事審判官(通常は裁判官が担当します)を交えて具体的な条件を確認し、調停が成立し、一件落着となります。

ちなみに訴訟の場合、手続が法廷で行われる場合は一般の傍聴人も傍聴できるのが原則です。ですので、関係のない人に夫婦の内情を知られてしまう可能性もあります。
それに対して、調停が行われる調停室は非公開です。
したがって、関係のない第三者に知られることなく安心して自分の言い分を主張することができる、というメリットがあります。

それから、夫から暴力や暴言を受けたなどの理由から、「裁判所の廊下などでも夫と顔を合わせることがないようにしたい」という女性もいらっしゃいます。 そのような場合には裁判所に「夫と顔を合わせたくないのですが・・・」と要望してみて下さい。

具体的な事情にもよりますが、裁判所も、待合室(そもそも申立人待合室と相手方待合室の2つの待合室が用意されており、夫婦が同じ部屋で待つことはないのですが)を違う階にしてくれたり、帰る時間を少しずらしてくれたりと親切な対応をしてくれる場合もあります(弁護士さんに依頼されている場合は、弁護士さんに要望して下さい)。

※なお、平成25年1月以降、東京家庭裁判所では、手続の冒頭に当事者を同席させて手続の説明をする運用になっております。したがって、双方が何も言わなければ、調停開始時に相手方と同席をすることになりますので、お気を付け下さい。

このように、離婚調停では比較的堅苦しくない雰囲気で、率直に話をすることができ、問題を柔軟に解決することができる、というメリットがあります。

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